下諏訪国際交流協会 Shimosuwa International Friendship Association

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講演会「満洲分村移民を拒否した村長」 大日方 悦夫先生

下諏訪国際協会主催の講演会が、下諏訪町文化センター2Fで開催されました。講師は、大日方悦夫先生(作家・歴史学者・教育者)。大日方先生は、佐々木忠綱の生き方に強く共感し、その生き方を広く伝えるために、著作や顕彰活動に取り組んでおられます。

2023年12月2日 13:30-15時 下諏訪町文化センター2F

講演会の会場風景

この日は、ウクライナガザ地区での戦争拡大がバルカン半島にも及ぶ不穏な状況の中、戦争の惨禍から村を救った佐々木忠綱が満洲分村移民を拒否した経緯やその信念に焦点を当てて、お話を伺いました。

戦前、中国東北部満洲」への移民は、国策として進められました。全国各地から32万余の移民者が海を渡り、終戦時の移住者27万人のうち約8万人は、二度と故国の土を踏むことはできませんでした。長野県内でも、村や地域単位の「分村・分郷」移民によって全国最多の移民を送り出しましたが、これを、自らの信念に基づいて拒否した村長がいました。下伊那郡大下条村(現・阿南町)の村長・佐々木忠綱です。国策遂行を迫られた忠綱が下した決断は、もし進めていたら避けられなかった敗戦に伴う悲惨な犠牲から、多くの村民を救うことにつながりました。

大日方先生は、忠綱の生き方や信念を浮かび上がらせるお話をしてくださいました。忠綱を動かした「学び」への強いこだわりや、それを起点とする地域の礎づくりなど、その姿は現代にも多くの示唆を与えるものです。

具体的には、忠綱の信念は以下のようなものでした。

 

村の伝統と文化を守ること=教育の重要性

村民の生活を守ること=医療体制の強化

村民一人ひとりの尊厳を守ること=共存平和の精神

忠綱は、これらの信念に基づいて、村長として村を率い、多くの功績を残しました。

講演の最後には、下諏訪国際協会の会長・副会長から、今の不穏な世の中において、戦争の惨禍を繰り返さない「平和を希求する心」の重要性を再認識するために、過去に学ぶ為の本の紹介や、村を救った忠綱のように、将来への信念を醸成することが必要とのメッセージが寄せられました。

会長挨拶

副会長謝辞